もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「えっ…」
どういう意味?と聞く前に。
すぐ目の前にハヅキがいた。
乱暴に肩をおされて、ベッドに押し倒される。
「きゃっ…!?」
体を起こす前にハヅキが馬乗りになってくる。
そして両手首を頭の上であっという間に拘束されて、ニコリと満足げな笑顔が降ってきた。
「な、なにする…」
「こりないねー。こないだ俺にアンナコトされといて?まーたベッドになんか座るんだもんなー」
我慢できるわけないよね?と私に顔を近づけるハヅキ。
キス、される、と思ってギュッと目を瞑って。
だけど唇が降りてきたのは
「ひっ…」
唇ではなく、首筋に貼られた絆創膏。
「はは、何その声ー」
「ふ、ざけんなっ…」
「俺ふざけたことなんてないけど」
ハヅキが私の手首を拘束する手とは反対側の手で、ビリッと勢いよく絆創膏をはがした。
「…っ、」
ピリッとした痛みにじんわり涙が滲む。