もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
私の隣に並んだハヅキが「どーも」と笑顔を浮かべる。
私はパッと視線を逸らした。
あの、家での一件以来。
私はハヅキを避けて避けて避けまくっている。
「何でハヅキがここに?」
京星くんがいつも通りの口調で先生に聞いた。
「お前らのスペシャルコーチだ」
すっ、スペシャルコーチってまさか
「これから一週間。じっくり高橋に勉強教えてもらえ?」
そんなぁ!?
「先生が教えてくださいよ!教師なんだから!」
「アホ、俺は忙しいんだ放課後まで付き合ってられるか!」
「そんな…」
「言っとくけど優秀だぞー高橋は。なんてったってあのS高から転校してきたんだからな」
S高!?
思わず隣のハヅキを見上げた。ニコニコしたまま先生の話を聞いているハヅキ。
S高っていったら全国的にも有名な進学校。東大京大当たり前っていう世界の…
「こないだの定期もぶっちぎり学年トップだったしな!頼むぞー高橋!」
ハヅキの肩を軽く叩く先生。ハヅキは笑顔のまま「がんばります」と頷いた。
いや頑張らないで!断って!ただちに!