もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
その日の放課後。
私はグラウンドのベンチで、渓渡の部活を見学していた。
渓渡がサッカーをしているところは最高にかっこいい。
だからこうして、時々部活の見学をしていくんだけど…
まただ。
無意識に眉間に皺が寄っているのがわかった。
また渓渡、弥佐ちゃんと話してる。
弥佐ちゃんっていうのは私たちと同じ1年生の女子マネで、学年でもすっごく可愛いことで有名。
選手とマネージャーなんだから部活中話すことは当然だ。
でもなんか、前よりも頻度が高くなったような…?
「あれ、早見さんじゃん?」
声がして、見るとヒラヒラと手を振りながらイケメン転校生が近づいてきた。
1月だというのにコートも着てない。
だけどまったく寒そうじゃなく、余裕の笑みを浮かべながら、私の隣に腰をおろす。