もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
ぐうぜーん。
「…よりによって何でココ…?」
ここは。
いつかハヅキに襲われかけて、そして一時間閉じ込められたトラウマの選択教室。
あの時のことを思い出すから出来るだけ近寄りたくなかったのに…!
はぁぁ、と深いため息をついた私。隣に座っていた京星くんが机に突っ伏していた顔を私に向けた。
「なんか紗英、顔色わりーな」
「え、まじか」
「うん」
京星くんが体を起こす。いつもに増してダルそうだ。
「京星くんも元気ないね?」
「あー。まぁ。部活ねーし」
あ、そうか。
帰宅部だから馴染みないけど、テストの一週間前からたしか、運動部は原則活動禁止なんだった。
私だったらラッキーって思っちゃいそうだけど。
「好きなんだね、部活」
「まーな。それやりに学校来てるようなもんだし」