もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
そっか。
なんか羨ましい、そこまで好きなものがあるのって。
「で。紗英は何で元気ねーの?」
「あー…うん…」
「ハヅキ?」
「うん…最悪だよ。ただでさえ勉強嫌いなのにハヅキって!」
先生め。恨む!
「…ま、安心しろよ」
キラリと、窓から差し込む夕陽に京星くんの赤いピアスが光った。
「守ってやろっか」
「え」
「俺が。紗英のこと」
京星くんの口元から覗く八重歯。