もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
………死。
ようやく小テストを終えた私は屍になっていた。
つ、疲れた…いくら小テストとはいえ、全教科いっぺんにやるなんて。
ハヅキは鬼だ…!今日は家帰って絶対、とことんゴロゴロする…!帰り支度を始めようとからだを起こすと、
「は。まじかよ。想像を絶するバカだね、二人とも?」
秒で採点を終わらせたハヅキが、綺麗な笑顔でそう言った。
「はいこれ。俺が今作成した二人の弱点克服ワーク」
「は!?ちょ、こんなのいつの間に作ったの!?」
「だから今」
え。ちょっと待って。私とハヅキってもしかして時間の流れ方が違うの?
茫然とする私の机に、その弱点克服ワークとやらがスッと置かれる。
「ゆっくりでいいから。わかんないとこあったら聞いて」
「…え。もしかして今やるの!?」
「もちろん」
「むりむりむりー!今日はもうこれ以上無理…!」
「無理とかないから」
ハヅキが顎の下で、その長くて綺麗な指を組んだ。
「やれ」