もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
はじめはきらいだった、たぶん。ただのジャイ〇ン。だけど。
「ちょっとお!」
弱虫で、さぁちゃんだけではなく、よく男子からもイジめられてた俺。
だれかにイジめられてると、先生より早く飛んでくるのは決まってさぁちゃんだった。
「よわいものいじめ!さいてー!ママが言ってた!」
自分のことを超棚に上げてさぁちゃんが言う。
俺をその、小さい背中でかばって。
「さえに関係ないだろ!」
「うるさい!」
「うわったたくな!せんせいに言ってやるー!」
「言えば?ばーーか!」
いーけないんだ!いけないんだー!せーんせいに、いっちゃおー!
お決まりの謎のあの歌を歌って逃げていくイジメっ子たち。
誰よりも普段俺をイジメているさぁちゃんが振り向く。
「ハヅキいじめていいの、さぁちゃんだけだから!泣くなばかー!」