もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
――は。
「ハヅキ?どしたの、知り合い?」
抗えない重力に引き寄せられるまま振り向いて、固まっている俺に、不思議そうに聞く“カノジョ”。
「………うん。まーね」
繋いでいたカノジョの手を振りほどく。
きょとん、と不思議そうな顔のカノジョ。
「ハヅキ?」
「帰るわ」
「え…はぁ!?急に何言ってんの!?」
「つーか別れよ。飽きた。じゃーな」
「なっ…」
茫然とするカノジョ――だった女を置いて、さぁちゃんとは反対方向に歩き出す。