もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
甘いだけのものはいらない
それから急ピッチで学園祭へ向けての準備が進んでいった。
「はぁ…憂鬱すぎる…」
今日は放課後、いくつかのグループに分かれて買い出し。
100均で装飾物を選んでいる途中、隣でため息をつくのは彩心。
「なに、メイドって。だるすぎる」
カフェでバイトもしている彩心はキッチン係になろうと思ってたのに、みんなの推薦で無理矢理メイドにさせられてしまったんだそうだ。
まぁ仕方ないよね、彩心、クラスでも1、2を争う美人だし。
「まーまー、決まったことは仕方ないじゃん?がんばりなよー!」
私からしたらちょっと羨ましいんだから!
だけど彩心の憂鬱そうな表情は変わらない。
「だって客なんてどうせ高校生ばっかでしょ?」
「当たり前じゃん。高校の学園祭なんだから」
「はー…わたし父兄専門がいいな。そしたら少しはやる気出るんだけど」
でた、年上好き。