もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「へー。工藤さんって枯れ専?」
「え、ハヅキ?」
気付いたら、私の隣にハヅキが立っていた。
学校を出発するときはいなかったはずなのに、いつの間に。
「ちょっと」
彩心が鋭い視線をハヅキに向ける。
「聞き捨てならないんだけど高橋くん。
男はある程度の年齢を重ねてようやく深みが出てくんの。枯れてるんじゃない、熟してくんのよ」
「はは、気に障ったなら謝るよ?
でも工藤さんの好みが知れてよかった。なんか工藤さんクールビューティって感じであんまり喋ったことなかったし」
工藤さんの好みが知れてよかった、って。
しかも極めつけは女子なら誰でも蕩けてしまいそうな必殺笑顔。
でも彩心は興味なさそうに「あ、そう」と言っただけで、すぐに折り紙の吟味に入り始めた。
…わー、私はじめて見たかも。
ハヅキが女子に相手されてないの!