もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「あー…うん。俺は別に」
京星くんがオレンジジュースを二つ受け取って、一つを誰もいなくなってしまった席に置く。
もう一つを自分で一口飲んで、はぁ、と息を吐いた。
「ほんと、ハヅキって大人気ないよねー。
あんなあからさまにお客さん奪うなんて…」
「紗英」
「ん?」
オレンジジュースを机に置いて、京星くんが私を見る。
「言っとくけど俺も別に、そんな大人でもねーから」
「…うん?」
「売られた勝負は買うよ」
そして立ち上がる。