もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
駆け込んできたのは、午後のホール担当である泉ちゃん。
そして、
「……ごめん」
その隣で申し訳なさそうに佇んでいる彩心だった。顔が真っ青だ。
「ど、どうしたの彩心?具合悪い?」
慌てて駆け寄ると、彩心がコクリと頷いた。
「うん、午前中からずっと調子悪くて保健室で寝てたんだけど…全然よくなんなくて…」
「熱もあるみたいなんだよね。だから早退しなさいって保健室の先生には言われたみたいなんだけど」
彩心の後を引き取って、困ったように説明する泉ちゃん。
「でもそうすると、午後のメイド担当ひとり足りなくなっちゃうんだよね。ただでさえギリギリの人数だし。
だから悪いんだけど、誰かメイドしてくれない!?」