もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「みんな、ほんとごめん…」
今にも倒れそうなくらい顔が真っ青なのに、ものすごく申し訳なさそうに謝る彩心。
彩心、責任感強いからなぁ。
このクラスで一番彩心と仲が良いのは私っていう自信はある。だからここは、
「私やるよ!」
速攻で立候補した。
親友のピンチを放っとくなんて出来ないし!
それに、メイド服も…着れるし!
パッと顔を輝かせた泉ちゃんが私の両手をガシッと握った。
「ほんと!?ありがとう紗英ちゃん!」
「い、いえいえ全然…!」
華奢な体をしているのに力がめっちゃ強い泉ちゃん。さすが女子空手部主将。
「…助かる、紗英」
彩心がうつろな目でお礼を言った。
「…まぁ。高橋くんには怒られるかもしれないけど…」