もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ううん、大丈夫。ただ紗英のことは許してくれる?」
「…わかった。俺もサポートするから」
「ありがと、高橋くん。じゃぁ私帰るね…」
彩心はフラフラした足取りで廊下を歩いていった。ほんとに大丈夫かな。
っていうか。
「彩心には優しいねー」
「まーね」
ハヅキが面倒くさそうに言った。
「外堀は味方につけとかないと」
「ソトボリ…?」
「…いーから、わかんなくて」
ハヅキが私の手を乱暴に引っ張って廊下の隅につれていく。なんか、イライラしてる。
ロッカーと壁の隙間に私を押し込むと、低い声で厳命した。
「俺が来るまでここから一歩たりとも動かず気配を消して誰とも会話しないでね」
「はっ?」
「じゃ」