もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
なんでもない1月の、さむーい朝。
そのイケメン転校生は1年5組の教室に突如現れた。
「うわぁぁぁかっこよすぎるぅぅぅ~…」
うめいた私に、前の席に座る親友、工藤彩心が振り向いて眉をひそめる。
「いやあんた彼氏いるじゃん」
「いやそれとこれとは別問題…!」
彼氏がいようがいまいが、イケメンはイケメンだ。それは仕方ない。
それにしても。
私は先生の隣で、女子の歓声と視線を一身に集めるそのお姿をよく観察する。
サラサラとした黒髪に、きりっと通った眉毛。綺麗な二重の瞳の色素は薄め。
背は高くて、足めっちゃ長い。顔ちっちゃ…!
簡単に言うと超イケメン。
具体的に言うと千葉雄大であり嵐であり山崎賢人でありキング&プリンス。
そう、世界中のイケメンを集めたような顔してる…!
それを彩心に伝えると「どんな顔」と一蹴された。