もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
めちゃくちゃだ。
ハヅキは言ってることもやってることも、めちゃくちゃ。
だけど
「…ねぇさぁちゃん」
顔を上げて、私を見下ろすハヅキの顔があまりに切なくて、
「…ハヅキ…どっか痛いの?」
痛そうだから。
私の声に、ハヅキは一瞬キョトンとした後、
「……あー…もう。萎えた」
深いため息をついて、私の隣にゴロンと寝転がった。
「狭い、もっとそっちいってよ」
しかもそんな文句を言ってくる。
「じゃぁこのリボン解いてよ!」
まだ私の両腕は縛られたままだ。
ハヅキは考えるそぶりをすることもなく、
「えーやだ」
簡単にそう言い放った。
「やだじゃない!」
「だってさぁちゃん、すぐどっか行くじゃん…」