もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
悪魔の復讐
コロン、と床に消しゴムが転がった。
私のものじゃない。
つい最近隣になったばかりのイケメン転校生――
「ねぇ早見さん。とってくれる?」
ハヅキがニッコリ笑う。
位置は、私とハヅキの席のちょうど中間。
ハヅキが少し手を伸ばせば十分届く距離。
「…じ、自分で取れば?」
恐る恐る言ってみたけど、ハヅキは笑顔のまま、
「ううん。早見さんにとってほしい」
そんなことを言ってきた。
何だそれ…と思いつつ、
『ふ・く・しゅ・う』
つい昨日、ハヅキから復讐宣言をされてしまった私は、渋々それを拾ってハヅキに渡す。
「…はい、どーぞ」
「ありがとう」