もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「そそ、Sコー。
ていうかっ!!」
美女――柊さんが、グルンッ!と物凄い勢いで首をまわして京星くんを振り向いた。
「なに!?このワイルド系イケメンは何っ!?
何でハヅキというものがありながら一緒にいるのー!?」
そしてビシィッ!と今度は京星くんを指さして、私にすごい剣幕で詰め寄ってくる。
こ、こわい。何!?このフツーじゃない迫力。
「あ、あのー、ひ、柊…さん?とりあえず落ち着…」
「二股っ!?二股なの!?うわっ超サイテー私絶対許せないかなそーいうの!!」
「違うって!とにかく人の話を…」
「――このみ?」
背後から聞こえた声。
ゲンナリと顔を歪めたハヅキが、両端に女子をはべらせ立っていた。
「なに、お前。また来たの?」