もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「あ、あのー…ハヅキ?」
隣にいた女子が、顔をひきつらせてハヅキに話しかける。
「この子誰…?」
「…あー」
このみちゃんを無理やり引きはがしたハヅキが、ニッコリいつもの笑顔を取り戻して言った。
「ただの幼なじみだよ」
「そ、そなんだ…」
「うん。じゃぁまた明日学校でね?」
「う、うん!ばいばーい!」
ハヅキの笑顔に、顔を赤くして嬉しそうに帰っていく女子たち。いつもの光景、だけど。
「……うわーー」
このみちゃんは目を丸くしてその様子を見ていた。
「なに今の、誰?ハヅキってあんなに女子に優しかったっけ?」
「うるさ。ここではこういうキャラ設定なんだよ」