もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「また来ような」
パンケーキのお店を出て、京星くんが言った。
「……う、うん」
「なんだよ今の間」
京星くんがおかしそうにふはっと笑った。
「ま、いいや。帰ろーぜ?送る」
私の半歩前を歩いていく京星くん。
…さっきの京星くんの言葉に、すぐに「うん」って頷けなかったのは、
たぶんどこかで負い目があるからだ。
京星くんの気持ちに、こたえられない負い目。
京星くんはこんな私にはっきり「好き」だって言ってくれたのに。
私はそれを、曖昧に濁したまま。京星くんが急かしてこないのをいいことに、
…甘えてる、よね…。
「…きっ、京星くん」
「ん?」
突然呼びかけた私に、京星くんが立ち止まって振り向いた。