もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
“おめでたい奴”って…
キュッと唇を噛んだ。
やっぱりハヅキは変わってしまった。
あの頃は、こんなこと言う子じゃなかったのに…。
「…ねぇハヅキ。あの頃のことは…ほんとごめん。あの頃は私も小さかったし、深い意味なんてなかったの!」
「ふーん。で?」
「で?って…。
だ、だから…ごめんなさい」
「許してほしい?」
目を細めて私を見ているハヅキ。
「う、うん…」
「そっかー。じゃぁ」
ハヅキは壁から身を起こすと、ゆっくり私に近づいて
「泣いて?」
クイッと私の顎を持ち上げ、そう言った。