もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
独占非禁止法
「あ~暑い!」
アトラクションの列に並びながらこのみちゃんがボヤく。
たしかに今日は日差しが強い。今年一番暑い気がする…。
「ねー暑いよ!ハヅキどーにかしてー!」
「どうもできないから。暑い暑い言うな、余計暑くなる」
「冷たっ!この氷点下ヤロー!」
「涼しくていいんじゃない」
前で相変わらず仲の良い掛け合いを繰り広げる二人の背中を見ながら、パタパタと手で顔をあおぐ。
それにしてもほんと、あっついな…。
「紗英」
不意に、隣に立つ京星くんが私を呼んだ。
「こっち」