もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
クイ、と軽く腕を引かれて、京星くんの右隣から左隣に移動させられる。
「え…」
「こっち、日陰だから」
京星くんの言う通り、ちょうど日差しが建物に遮られて、そこだけ少しひんやりしていた。
「ありがとう、京星くん」
「別に」
「わ~~~お…」
ハッとして前を見ると、このみちゃんがニヤニヤしながら私たちを見ていた。
「さっすがハヅキのライバルッ!いい男~!」
「ライバル…?」
「ていうかハヅキッ!負けてんじゃん?女の子には優しくしないとだよ~?」
ニヤニヤしたままハヅキを覗き込むこのみちゃんに、ハヅキがチッと舌打ちをした。
「…うるさい」