もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
―――20分後。
「……ぜんっぜん、威力なかった…」
私は一人でベンチに座り、さっきハヅキに落とした怒りの一撃について反省会していた。
いや、暴力ふるって悪かったなー、とかそんなことはもちろん、微塵も思ってないよ?だって明らかにハヅキが悪いでしょうさっきのは!
ただ、反省しているのはこの一点。
みぞおちにグーパンチを叩きこんでやるべきだった…!
だって、保育園の頃と同じようなノリで頭にゲンコツにしちゃったけど!
あの頃と違って、今じゃハヅキの方が余裕で身長高いから、ゲンコツを落としたというよりは頭に手置いた、みたいになっちゃったし…!
人間の急所と呼ばれるみぞおちにでも、一撃いれるべきだった。
それか、
「せめて顔…!」
「一人で何してんのー?」
突如一人反省会に割り込んできた知らない声。
顔を上げると、同じくらいの年の男子3人に取り囲まれていた。
ずいぶん親し気だけど、知り合いじゃないよね…?