もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「あ、あの…?」
「一人でこんなとこ座って、もしかして彼氏にでも逃げられた?」
大きなダテっぽいメガネをかけた茶髪の男子が、私のすぐ隣に腰をおろして親し気に話しかけてくる。
「や、違いますけど」
「うそっ?まーいいや!暇なら俺らとまわらない?」
「そーそ、男だけで遊園地とかつまんないんだわ~!」
そう言ったのは金髪の短髪で、スポーツでもやっているのか肩幅がガッチリと広かった。
「私友達と来てるんで…もう戻らないと」
ベンチから立ち上がって歩き出そうとしたけど、パシッと手首をつかまれ引き留められる。
「じゃー友達も一緒でいいよ!」
「はぁ…?」
何したいんだろ、この人たち。
ていうか
「手、離し…!」
「俺はお断りだけど」
フワッと背中から強く抱きしめられる。
「は?誰?」
眉をひそめるダテメガネくんに、すぐ頭上から聞きなれた声がする。
「どーも、友達ですけど何か?」