もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「おまえ、どういうつもり?」
「どういうつもりって言われてもなー」
ハヅキは笑って、ちょっとだけ小首を傾げた。
「別によくない?チューくらい。しかも超軽いやつだから安心してよ?戸田渓渡クン」
「………」
黙ったままハヅキを睨みつける渓渡。
ハヅキはしばらくそんな渓渡を見つめてたけど、ちょっとだけ肩をすくめて、再び階段を下り始めた。
ハヅキの姿が見えなくなる。
薄暗い、階段に。
私と渓渡だけが残された。