もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「は、ハヅキッ…!?」
振り向こうとしたけど、私の体を抱きしめる力が強くて、それは叶わなかった。
「友達って…男ぉ~?」
ダテメガネくんは眉をひそめると、
「つまんなー。行こうぜー」
友達二人に声をかけ、あっという間に歩き去っていく。
取り残された私と…私を後ろから抱きしめたままの、ハヅキ。
「…あ、あのぉ…」
「ほんっとバカだよねー」
ようやく私を解放したハヅキが、さっきまであんなに強く抱きしめていたくせに、あっけなく離れて。
ドカッとベンチに腰かけた。
「死ぬほどムカつく。なんでさぁちゃんの分際で、男にナンパなんてされてんのー?」