もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
ヘラヘラしているハヅキは、ムカつくと言いながらも心底どうでもよさそうで、テキトーで、でも
「…こっち来なよ?」
グイッと私を引っ張る手つきは乱暴で、熱っぽかった。
というか…
「なんかハヅキ…熱くない?すごい汗かいてるし…」
ハヅキの頬を、ツ、と汗が流れていた。
ハヅキが口元をわずかにひきつらせる。
「…誰のせいだと思ってんの?」
「え?」
「突然どっか走っていっちゃうんだもんなー。ガキかよ?」
ハヅキがその長い足を組む。
もしかして、
「…私のこと…探してくれてたの?」
「…べつに。俺だけじゃないし。このみも…キョーセーくんだって探してるんじゃない?今頃、必死になって」