もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
…私…なんて幼稚なの。自分の都合で勝手にいなくなって…!
連絡しようとスマホをカバンから取り出そうとしたら、ハヅキにその手をつかまれた。
「まだいいじゃん」
「え…?」
「探させとけば?」
「いやいや、早く連絡…わっ」
グイッとつかまれた腕を引っ張られて
気づいたらハヅキの腕の中。
「…せっかく見つけたんだから。
ちょっとはご褒美、ちょうだいよ?」
ギュッと抱きしめる腕に力がこめられて
聞こえるのは、ハヅキの早い心臓の音。
「…ハヅキ。走って探してくれたの…?」
「……ぜんぜん。オール徒歩」