もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
ハヅキが私の体をわずかに離して、顔をのぞきこんでくる。
「…わかる?この意味」
「…わかるよ。ハヅキ、私のことずっと恨んでたんだもんね…」
「………」
質問に答えると、なぜかハヅキは無表情のまま、しばらく黙った。
どうしたんだろう…?
不思議に思ってると、ふ、とハヅキが俯いた。
顔をあげたときには、いつもの笑顔。よく見るやつだ。
「そ。俺、さぁちゃんのことすっごい恨んでんの。だから」
ハヅキが私の頬に手をのばして、親指でゆっくり、撫でてくる。
「さぁちゃんが俺の知らないとこで知らない男に声かけられてたり、触られてたり、誰かにチュロス“あーん”されてたり、優しくされてたり
すっごいムカつくんだよねそーゆうの。もう、眼球潰したくなるくらい」
眼球潰す!?
ドリームランドでもハヅキのコワさは通常モード。
ハヅキが立ち上がる。
そしてまるで王子様みたいに、手を差し伸べてきた。
「さぁちゃん。お願いだから。
俺にだけついてきて?」