もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
そして何が何だかわからないけど
ハヅキと京星くんの1on1が始まった。
「5点先取した方が勝ち。キョーセーくんからでいーよ」
ハヅキが京星くんにボールを渡す。
授業開始まで、あと15分。
体育館に来る生徒も増えてきて、みんな何事かとコートの周りに集まっている。
私もその中に紛れて見学することにした。
京星くんが慣れた手つきでドリブルをはじめる。
その前に腰を落として立ち塞がるハヅキ。
京星くんは少しの間、うかがうようにハヅキの様子を見てたけど
一瞬深く沈んだ、と思ったら
パシュッ…
あっという間にハヅキを抜いて、そのままシュート。
リングに少しも触れることなく吸い込まれたボールが、ゴールネットを揺らした。