もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ま、いいや。俺浮気する女とか無理だから。別れよ」
渓渡はあっさりそう言って、クルリと私に背を向けた。
「えっ…ちょ、ちょっと待ってよ!」
「もう話すことねーし。じゃーな」
もう渓渡の視線が私に向けられることはない。
渓渡はポケットに手を突っ込んで、階段をおりていく。
うそ…でしょ?
渓渡と付き合って半年。
帰りぎわに見た、サッカーをしている渓渡の姿に一目惚れしてダメ元で告白したら、まさかのオッケー。
昼休みには一緒にお弁当食べて、放課後とか、土日にデートしたり。
私が“好き”って言ったら、照れたように“俺も好きだよ”って言ってくれた。
なのに…
こんなにあっけなく終わっちゃうの?