もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「別に口説かれてなんか…」
「あーもういいよ。喋りすぎた」
ハヅキが私の言葉を遮って、空になった紙コップを奪い取った。
喉が渇いていて、水はすぐに飲みほしてしまった。
「おかわり、いる?」
「うん、ありがとう…」
ハヅキが立ち上がった拍子に、古いパイプ椅子がギィと音をたてる。
「もう少しで授業も終わるから少し寝たら。寝ないのならもう早退するでしょ?送ってく」
「…ハヅキいいの?授業」
「いいよ、別に」
ハヅキが紙コップに水をいれて戻ってきた。
「そんな状態で一人で帰せるわけないでしょ?」
…やっぱり、
「…ハヅキが…優しい」