もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「…ハヅキってさ」
カバンを肩に背負った俺を、和原京星が見て言った。
「なんで紗英の嫌がること、いつもわざわざすんの?」
“紗英”
あーダメだ。いつもながらムカつくわ、この呼び方も。
「…は?」
しかも質問の意図がよくわかんないし。
そーいう試すような質問が嫌いなんだよ、俺は。
「だから、好きなくせにわざわざ嫌われるようなことすんの、何でって聞いてんだけど」
でも、直球でそういうこと、正々堂々と聞いてくんのは、もっと嫌い。