もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
…和原京星はこういう男だ。
いつも俺がいちばん言いたくて、言いたくないことをいとも簡単に言う。
俺が欲しい“いちばん”を簡単に掻っ攫っていく男。
「…ははは…」
うまく、笑えているだろうか。
でも俺は、こうでもしないとこんなとき、どんな顔をするべきかすら分からない。
「キョーセーくん、それは到底、ムリな話だね?」
それだけ言って、あいつの返事は待たず、教室を出た。