もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「おー、紗英」
そのとき後ろから声をかけられた。
振り向くと、リュックを背負った京星くん。ちょうど今登校してきたらしい。
「おはよ、京星くん」
「もう大丈夫なの?」
「うん、完全復活!」
ビシッとピースしてみせると、ふっと切れ長の瞳がさらに細くなった。
「そりゃーよかった。でも病み上がりだからあんま無理すんなよ」
「京星~!ちょーこっち来て!」
「おー。じゃぁまたあとで」
京星くんはポンッと私の頭に手を置くと、呼ばれた友達のところへ歩いていった。
私も自分の席に戻ることにする。
ハヅキは女子に話しかけられていて、もう目は合わなかった。