もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
それからは家まで黙って歩いた。
ハヅキ…いつになく、無口だったな。
ポン、と広げたノートの上に、二つに折られたメモ用紙が飛んできた。
隣を見るとハヅキがニッコリ笑う。
このメモを投げてよこしたのはハヅキで間違いないらしい。
今は数学の授業中。
板書している先生がこっちを見ていないことを確認して、メモを開いた。
“げんき?”
整った字でそれだけ書かれている。
“げんき”
ハヅキが書いた文字の下にそう書いて投げ返す。
すぐにまた、メモが返ってきた。
“もう熱出さないで?学校休まれると、いじめる相手がいなくてつまんない
あと、おんぶとか、他の誰にもさせないで?絶対”
少し考えて
“なんで?”
そう書いて、返してみる。
“なんでも”
そんな返事がきた。