もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
なんでも、って…
「紗英?」
休み時間、ぼんやりとそのメモを見ていたら京星くんに話しかけられた。慌てて、そのメモを二つ折りにして筆箱に入れる。
「な、なに?京星くん」
「…いや別に」
京星くんはそれだけ言って、なぜかじっと私を見つめてくる、んだけど…
…なに考えてるんだろう?
京星くんは基本的にはクールで仏頂面――というかポーカーフェイス。
「…そういえば!こないだのバスケの1on1ってどっちが勝ったの?」
「…え?」
「私、後半熱のせいか頭がボーッとしててさ、よく覚えてないんだよねー」
たしか、ハヅキと京星くん、ほぼ同点だった気がするんだけど。