もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
キーンコーンカーンコーン――
答えられないまま、授業開始を知らせるチャイムが鳴った。
ガタ、と京星くんとは反対側の隣の席の、椅子をひく音がする。
思わず振り向くと、ちょうど席に着いたところのハヅキと目があった。
「なに?なんか用事?」
「……べつに」
「え、なに?今の意味ありげな間は」
「べつに何もないよ!」
あ、そ?と笑うハヅキはいつも通り。
いつも通りすぎて…ムカつく。
“優しくしたら
好きになってくれんの?”
…なんで私の方が、
こんなに気にしなきゃいけないの。