もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「き、京星くんっ…!?」
「お願い最後に、10秒だけ」
耳元で、囁くような京星くんの声。
「これが最後だから」
背中にまわされた京星くんの腕に力がこもる。
「紗英も…手、回して」
「え…」
「頼むから」
耳元で聞こえた京星くんの声が、あまりに切なかったから
私は思わず腕を精一杯、京星くんの背中にまわして
抱きしめた―――