もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「紗英は、ハヅキのこと嫌いなんだよな?」
「え?」
今そんな質問がくるとは思わなくて、一瞬言葉に詰まる。
私は…ハヅキのこと。
「…うん」
「5秒」
「え?」
「答えるまで。
前だったら即答だったろ」
「そ、それは、聞かれると思わなかったから」
「ふーん?」
京星くんが自嘲気味に口角をあげる。
「その5秒が…そういうことだろ」
「京星くん?」
「紗英。見えてるモンだけに、惑わされんじゃねーぞ」
そう言って、京星くんは私の頭にポンッと手をのせると
「じゃーな」
微笑んで、教室を出ていった。