もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「紗英ちゃーーーーーんっ!!!」
放課後、帰ろうと昇降口を出た瞬間大声で名前を叫ばれた。顔をあげると
「このみちゃん!?」
「ひっさしぶり~!!!」
ダダダダダッ!と突進してきたこのみちゃんが、私の目の前でピタッ!と止まる。
いつもこのみちゃんの登場は心臓に悪い。
「ひ、久しぶり…どうしたの今日は?」
このみちゃんと会うのは、ハヅキと京星くんと行った遊園地ぶりだ。
「んー、ちょっとハヅキに用事があってね!一緒じゃないの?」
「一緒じゃないよ。私が出るときはまだ教室にいたけど」
「ふーん」
なぜか私の顔を何か言いたげに見つめるこのみちゃん。
「え、何?なんか顔についてる?」
「いや?ってかなんか進展あった!?あった!?ハヅキと!!」
「し、進展って…」
「あっ!!ハヅキー!!!」
急に叫んだこのみちゃんが、今度は私の後ろに向かてダダダッ!と走る。
「ひっさしぶり~!」
「うわ、なんだよ。何しに来た?」
迷惑そうに顔を歪めるハヅキ。