もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ちょっとー!うわって何!?せっかく会いにきたのにー!」
「いいから速やかに用件を言え」
「は?冷た~!」
このみちゃんは文句を言いながらも、カバンの中から何か分厚い本を取り出した。
「はい、これ!福田先生がハヅキに渡しとけってさ~!」
「うわ重…なんだよこれ、参考書?」
「福田先生オススメの物理の参考書だってさ!福田先生ハヅキに戻ってきてほしいみたいよー、S高!わざわざレベル低いとこ通うなんてもったいないって!」
「…余計なお世話だよ」
「福田先生すっごい気にいってたからね、ハヅキのこと!」
「俺は嫌いですって伝えといて、課題の量エグいから」
「リョーカイ!泣くだろうな~福ちゃん!」
おかしそうに手を叩いて笑うこのみちゃんと、なんだかんだ笑顔のハヅキ。
教室にいるときの、張り付けたような笑顔じゃない。
――素の笑顔、ってかんじ。