もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「じゃっ、私帰るね!今日これから塾なんだ~!ばいば~い!」
このみちゃんがハヅキにそう言って、私にもブンブンと手を振って、校門から出ていった。
ふっとハヅキと視線が絡んだ。
ニコ、とハヅキが笑う。
…でたー、いつもの笑顔だ。
「相変わらずうるさいよねー、このみ」
口調だって全然違う。このみちゃんと話すときとは。
私と話すときは。そのときの表情は。
“みんな”に見せる感じの良い方の奴。
「…よかったね」
気づいたらそんな言葉が漏れていた。
「え?」
ハヅキが笑顔のまま首をかしげる。