もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
復讐?
「っていうか。
なんか紗英に彼氏がいる設定になってない…?」
「そう!そこなんですよ彩心さん!!」
昼休み。
今日は珍しく彩心と二人で中庭でランチ。
ベンチに座ってそれぞれ膝の上にお弁当を広げている。
「昨日疑問に思いつつ、なんか聞きそびれちゃったっていうか…」
「まぁでもこれで謎は解けたね、よかったじゃん」
表情を変えないまま彩心が淡々とひじきを口に運ぶ。
「え、謎って?」
「だから、高橋くんが紗英に急にそっけなくなった謎。彼氏がいるって誤解してたからでしょ?」
「え!?そうなの!?」
「え…ちょっと何言ってんのかな、この子…」
彩心が何か異質なものを見る目を向けてくる。