もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
放課後、私は職員室に向かっていた。
提出が遅れてしまっていたプリントを先生に直接提出に行くためだ。
あーあ、怒られるかな、気が重いなー…
そんなことを考えながら、職員室のドアに手をかけたとき
「……と、思って」
中から聞こえたのはハヅキの声。
どうやらドアのすぐ近くで誰かと話しているらしい。
「私は高橋くんの意思を尊重するけど…でも本当に、それでいいの?」
担任のマキ先生の声も聞こえる。
声のトーン的に、真剣な話をしているみたい。
思わず耳を澄ます。
「…はい」
いつになく真剣なハヅキの声。
「俺、S高に戻ります」