もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「……盗み聞き?」
ハヅキがヘラッと笑った。
「趣味わるー」
「まじめに、答えて…」
やっぱり声が、うまく出ない。
胸に何かつかえたように苦しい。
ハヅキの顔から笑顔が消えた。
「まぁ…うん。もうここにいる意味ないし。って、さぁちゃんも言ってたでしょ?」
「それは…」
「俺、ショーライ東大行って宇宙飛行士になる予定だから。絶対S高のがいいっしょ、悪いけど」
…嘘つき。
東大?宇宙飛行士?…そんなのはじめて聞いた。
口ぶりも、明らかにテキトーで、投げやりで。
「…じゃ」
ハヅキが私の横をすり抜けて、歩いていく。
行っちゃう、ハヅキが…
「…っ待って」