もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「…へぇ」
チッと舌打ちをした京星くんが、不機嫌そうに腕を組む。
私は漏れそうになるため息を、慌てて押し殺した。
ショックを受ける必要なんてない。
ずっとハヅキに、いなくなってほしいって思ってたじゃん、私。
念願…だったはずでしょ?それに、
ハヅキにとっても、戻った方が絶対にいい。
S高なんて超A級の進学校、誰でも入れるもんじゃない。未来を約束されたエリートしかいないようなところだ。
そこに入れる頭脳があるなら、絶対に戻った方がいい。
本来たぶんハヅキは、ここにいるべき人じゃなかったんだ。