もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「京星くん」
上を見ると、朝練帰りらしいスポーツバッグを斜め掛けした京星くん。
「紗英も行くの?ハヅキの送別会」
「…なんか勝手にそういうことになってて…」
「ふーん。じゃ俺も行こうかな」
京星くんは無表情でそう言うと、自分の席に歩いていった。
「ちょ、京星くん…」
私まだ行くって決めてないんですが…!
「…まぁ、いいんじゃん?」
それまで黙って一連のやり取りを見ていた彩心がクールに言う。
「最後だし。お別れの挨拶くらい、すれば」
「えー…」
お別れの挨拶って…
…あんなこと言われて、一体何を言えって言うの。