もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「あー…」
私もハヅキの方を見る。
女子にたくさん話しかけられてニコニコしてる。いつもの笑顔。その笑顔がホンモノかどうか、はともかく
…楽しんでいるなら何より。自分の送別会なんだしね。
「…別に話すことないしね。私、すっごい嫌われてるみたいだし!」
「…は?」
京星くんが怪訝そうに眉をひそめる。
「嫌われてる?紗英が?」
「うん」
「へー…、まだそこなんだ」
「まだ、って…」
どういう意味なんだろ。
京星くんは何か考え込むように少し黙ると、不意に
「なー近藤。そこのマイクとって」
向かいの席に座っていた近藤に話しかけた。